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誕生物語〜後編

さっきまで時間はたっぷりあると思っていたのに、子供達とじゃれあったり、布団に横になってうとうとしているうちに、あっという間にお昼になろうとしていた。


そこへ、「足湯でもする? 」と赤塚さんがやって来た。なんでも、身体が温まると、陣痛がつきやすくなるらしい。


部屋が暖かくて、すでにポカポカしていたけれど、なんとなく手持ち無沙汰なので、足湯の用意をしてもらうことにした。



「そうだ、足湯の前に、ちょっと見てみようか」と、内診をしてもらうことに。すると・・・



「お、だいぶいいところまで降りてきてるよ!」とのこと。


「え、そうなの?!」

ずっと生理痛程度の痛みだったものの、確実にお腹の子は降りてきていた。


ゆっくりとゆっくりと、身体の負担が少ないように骨盤は広がって、子宮口も少しずつ少しずつ開かれていたんだね。



赤塚さん「うんちしたい感覚はある?」
私「いや、ないです」
赤塚さん「じゃあ、まだだね」



はて、どういうこと?
疑問になって聞くと、なんでも
「赤ちゃんが出る間際になると、便意を催すような感覚になる」
とのことだった。

なーるほど!だから、上の2人のお産の時も、産まれる間際に「うんちがもれそ
う!」と口走っていたんだ。






そんなやりとりの後に、足湯の用意をしてくれた赤塚さんは、
「何かあったら呼んでね」と、さりげなく部屋を出て、またしても家族だけの空間にしてくれた。






今回のバースプランには、「赤ちゃんのリズムを存分に感じながら、1人で静かに産みたい」と書いていた。

前回のお産の時も、産まれる間際までほとんど1人で陣痛の波をやり過ごしていたので、赤塚さんには「うん、またるりちゃんの時みたいに一人で産むといいよ」と了承を得ていた。


結局、家族もいるし、賑やかな状況なので一人で産むことは不可能だが、赤塚さんは必要な時以外はずっとそっと放っておいてくれた。ずっと付きっきりでいられるより、私にはその信頼関係が、とても快かった。







さて、部屋の片隅で足湯すること7、8分ばかり。



あっという間に額に汗が出て来て、のぼせたような状態に…。





遠くで12時を知らせる鐘の音が聴こえる。


「お昼か。潮が満ちるのは1時半。もうそろそろかな」


そう思うと同時に、子供達の退屈度もMAXになったようで、なんだか急に部屋の中のモードが変わってきた。

それまでのんびり過ごしていたのが、急に回転率が変わったように部屋の中の空気がかき回され始めた。

いや、急展開してるのは、私自身?
収縮の波が突如早まり、これまでのちょっと生理痛が強い程度の張りから、ギシっと腰を押されるような強い張りへと変化していた。


時計を見ると、12時を10分ほど回ったところ。

「ん、いよいよかな?」

気持ちを落ち着かせるために、足湯をしていた椅子を離れ、夫がうたた寝している布団に自分も横になる。


すると、すぐに、強い収縮の波が来た!
とうとう本格的な陣痛が始まったのだ!


収縮が始まっている間は、話すことも出来ない。

思わず息が詰まりそうなところへ、力まないようにと、わざと声を出す。


すると、咄嗟に出たのは、なんとあわ歌。



あわ歌とは、秀真伝(ホツマツタヱ )という古代文献に載っている歌。

伊邪那岐・伊邪那美の時代に、乱れていた民の言葉を正そうとしてつくったのが、この歌とされている。




このあわ歌、オシテ文字という古代文字で表されているのだが、眺めているだけでいい具合に心身に作用する。声に出して歌うと、さらに強力に体や場が整っていくので、私自身は空間を調整したり整体の施術時に使うことがある。



無意識に口をついて出てきたが、きっと自分軸にしっかり収まるように宇宙とうまく同調出来るようにと歌ったんだろうね。








しばらくして、次の波。
今度は歌にはならず、高めのトーンで「あー」と声を出してチューニング。あまりに大きい波なので、声が上ずったようになる。

もう、これは横になってなどはいられない!

次の波が来る前に、うたた寝しているパパに、「もう出るよ」と言って起きてもらい、私自身は、赤ちゃんが降りて来やすいように四つん這いの態勢になった。

夫に、「赤塚さんは?呼ぶ?」と聞かれ、一瞬戸惑う。
「だって、一人で産みたい」
「そんなこと今さら言ってどうするの?」
そうだった、へんなこだわりはこの際はいらないのだ!
「呼んで」

すぐに赤塚さんがお産の道具を持ってやって来た。


布団が汚れないようにビニールシーツを敷いているところで、とてつもなく大きな波が来た。


あまりに強く大きな陣痛の波に、野性に戻って雄叫びの声をあげていた。

「うぐわおー〜〜〜〜〜〜〜っ」


ぐぐぐっと骨盤が開く。腰に強い圧迫感。すごい力だ。


前回、るりのお産の時は、ただひたすらエクスタシーの波に漂っていた気がするのだが、今回は実に強くてパワフルなエネルギーだ。
「このパワフルなエネルギーに負けないように、気を引き締めよう」

と思ったところで、また大きな波。
その時、イルカに導かれてやってくるイメージと、マリア様やご先祖様など目に見えない存在の強力なサポートを感じて、思わず「有難う御座います〜」と叫んでいた。

同時に、子宮から子宮口へずんとおりて来た!
ここまで来たら、あと少し…

しばしの休息。。。。
本当だったら、ここでエンドルフィンがドバドバドバーっと分泌されるので、シュワシュワ〜っとエクスタシーの波に浸れるのだが・・・。

子供達の「ママ、頑張れ〜」の声援にかき消され、その波にも浸れず。。。苦笑


心の中で「ママは何も頑張ってないよ〜。ただ今はリラックスしているだけだよー。赤ちゃんと身体が勝手に働いてくれてるんだよー」と言い返していた。




波がきた。
さあ、いよいよだ!
ついに、便意に近い、どうにもならないいきみたいという衝動がやって来た!!!



咄嗟に腰をおろし、いきみやすいように肛門を踵に押し付けて、クライマックスを迎える準備をした。

ずずずずずんと腰にものすごい圧迫がかかる。骨盤がさらに大幅に開き、砕けてしまいそう!

思わず、「腰に手を当てて!」とみんなに頼んでいた。
パパの手、子供達の手を腰に感じつつ、波に乗るように赤ちゃんが降りてきた!!!いよいよ全開だ☆

ここまで来たら、もう終わったも同然。ほっとして、自分の股に手をやると、赤ちゃんの頭が触った。

生温かくて柔らかい赤ちゃんの頭を触りながら、「あともう少しだよ。ゆっくりでいいよ、ゆっくりゆっくり出ておいで」と自分に言い聞かせるように、赤ちゃんに声をかけていた。


というのも、ここで無理にいきんでしまうと、会陰が裂けてしまう恐れがある。

一人目の時に、「いきみをとめて」と言われたにも関わらず、その衝動に負けて思い切りいきんでしまった私は、えらいめにあっている。だから、2人目の時と同様、今回も自然に膣が伸びるまで、赤ちゃんが自然に産道を通ってくるまで、いきまずに待つことにした。


徐々に、徐々に降りて来て、ついに赤ちゃんの顔が現れた♡


ここでいきめば、おそらく一気に生まれてくるのだろうけど、今回はいきまずに自然にするっと生みたかった。でも。。。。




なんだかこの子、めっちゃ大きそう。。。。


赤塚さんの「よし、次の陣痛でいきもうか」との言葉に、「そうだね、ちょっと手助けした方が良さそう」と思ったので、次の陣痛の波で、ふんっと1度だけいきんだら。。。。。


ツルリンと赤ちゃん、誕生!!!!


その瞬間に、「自分で取り上げたい」と周りの人に声にならない声で伝え、生まれ出た我が子を自分の手で取り上げた。

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初めて会う我が子。
目があった瞬間に、「うわ、めっちゃ宇宙人やん??」と思ったものの、口から出た言葉は、

「上手にするりと生まれて来たね。生まれてきてくれて、ありがとう」。


夫は感動で泣いている。
確認すると、お、ついてる!
男の子だ〜♡

午後0時22分。松野家、待望の男児誕生!


なんと本格的な陣痛が始まってから、ものの10分程であっという間に誕生⁈



それにしても、お相撲さんみたいにぷくぷくで大きい!


体重はなんと3869g。
でもこれ、存分にカンガルーケアをして胎便が出きった後に測ったので、実際は3900を超えていたという説も…汗。


よくもこんなに大きな子を産んだものだと、我ながらびっくり。あんなに安産でするりと産んだ、自分の身体の精緻な働きに心底感謝した。


これも、玄米菜食を20年続けた結果かな…⁈
いやいや、今回の妊娠中はなーんのこだわりも罪悪感もなく、お肉やお魚を美味しく頂いた。その時身体が欲したものに忠実に従っていたので、お酒もそりゃぁ美味しく呑んだ。

その結果がこの巨大ベビー。。。


ということは。。。


これはひとえに、丈夫な身体に産んでくれた母やご先祖様のおかげ。

本当に有難いことだと、連綿と続く命のつながりに深く深く感謝したお産でもあった。

by enjoycafeohana | 2015-01-13 09:48
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